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「ぁあ?なんだお前」
さきほどまで目を輝かせながら話していた一年の態度が一変して変わる。
「ここで何をしているのか聞いたのだが?」
「お前に関係ねぇよ!どっか行けや!」
先輩達と俺はまだ振り向けずにいる。今、あいつの顔を見るのはまずい。
「ちょっとそこの三人。いつまで僕に背を向けているつもり?」
奴はふぅと小さなため息を吐きながら言う。
その言葉に意を決した先輩達はゆっくりと振り向いた。
俺は破裂しそうなくらいに高鳴っている心臓を無視し、先輩達に続いてゆっくりと振り向いた。
俺の目に映ったのは、腕を組みながら冷やかな目をしている上条透。
その目に俺の姿は映し出されていない。
上条は俺に目を向けずに淡々と口を開いた。
「君達、校内で煙草?未成年でしょ」
刺すようなその目付きに俺達は固まってしまう。
しかし、またここでも空気を読めない奴が。
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