荒れた毎日

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  「…てめェこそ何だよ?関係ねぇだろ」  俺は眉を寄せながら声を低くし、ドスを効かせる。  しかし、そんな俺にも奴の表情は変わらず、ただ目を細めるだけ。 「…君、どこのクラス?名前は?」  男は俺の胸元のネクタイに視線を移動させる。この学校では学年ごとにネクタイの色が決められており、その色によって学年が分かるように施されている。    一年は紺、二年は赤、三年は緑というように配色されている。俺のネクタイは二年なので赤。  男の胸元に視線をやれば、ネクタイの色が緑色なので三年だということが分かる。 「お前馬鹿かよ?…誰がお前なんかに言うかよ」  鼻で笑いながらそう口にすれば、男は眉を寄せ怪訝な表情を浮かべる。  何も返答がないので俺はそいつを無視し、校門を出た。  一度振り返り、そいつを見れば追ってくるかと思っていたが、そいつは音も立てずに歩きだし、校舎へと入って行った。 (なんなんだよ、あいつ)  あいつこそ何やってんだよ。授業があるのはあいつだって同じはずだろ?  そんなことを考えるほど、余計苛立ちを覚える。その気を紛らわせようと、大通りにあるゲーセンへと足を向け進めた。
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