俺の飼い主

狂い始めた感情

こんな甘ったるい声を聞けば何をヤっているのかなんて、見なくても分かる。

…こんな所でご盛んなことで。なんて思いながらその場を離れようとした。

俺だって馬鹿じゃない、こんな所盗み見るような趣味してねぇーし。

そう思ったが、ふとおかしいことに気付いた。
俺はもう一度その声に耳を傾ける。

――「あぁっ…もう…むり、ですっ…」

…やっぱりそうだ。この甘い声を出しているのは――男だ。そしてまた声が聞こえる。

――「駄目だよ、まだお仕置きは終わってない」

俺は鈍器で頭を思いっきり殴られたかのような衝撃に襲われた。