荒れた毎日

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―――… 「あーぁ…けっこう金使っちまった」  ゲーセンを後にした俺は財布の中を見ながら呟く。  空を見上げれば、暗みを帯びたオレンジ色の空に太陽がちょうど沈みかかっている最中。そしてその太陽の光の先に少数の群れをなした鴉が儚く鳴いていた。 「――仕方がねェ、帰るか…」  俺は太陽を背に家へと通じる道に足を進める。そうすれば、ふと頭の中に校門の前で会った男の顔が浮かびだす。 ――あいつはなんだったんだろう。  俺が睨んでも顔色一つ変えず、それどころかあいつの目は鋭ささえ消えず、俺を見据えていた。 …しかし、あの時は冷静さを失っていたので気付かなかったが、どこかであの顔を見たことがあるような気がした。どこだったかと、普段使わない脳に思考をめぐらす。 ――その時だった。 ドンッと何かが当たる衝撃に耐え切れず、俺はその勢いのまま地面に尻を突き、鈍痛が腰を襲う。 「――…っ!!」  突然の出来事に驚いたが、電柱などの物に当たった感じではなかった。そうすれば、人にぶつかったのだと苛立ちが込み上げる。 「どこ見て歩いてんだ!!」  その苛立ちをぶつけるように言葉を発すれば、予想通り俺の上から声が降ってくる。
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