狂い始めた感情

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「それもそうか…」 と苦笑いを浮かべながら僕は、再度時計を見やる。 「松田」 僕がそう名前を呼べば、はい、と返事をし僕に視線を合わす。 「あいつ…柳本を探して連れてきてくれないか?」 そう言えば少し眉間に皴を寄せたが、はい、とまた答え生徒会室を出て行った。 その姿が見えなくなるのを確認してから僕はまた深い溜息を吐く。 ――今まで僕の言うことを聞かない奴などいなかった。 すべて僕の思い通りだった。それなのに、あいつは僕の言うことを守らずに此処に来ない。どんどん苛々が増してくる。 …しかし一つ気になることがあった。 それは匂い。昼休みの時体育館の裏で情事を済ませ、その場を後にしようとした所でほのかに煙草の匂いがした。 その煙草の匂いは僅かだが屋上で柳本が吸っていた煙草の匂いと同じだったように感じる。
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