狂い始めた感情

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色々と考えを巡らせてみたが、考えても仕方がないのでまた手元の資料に目をやった。 外からは絶えることなく、部活をしている生徒たちの声が響き渡る。 そして時間が進むにつれ、オレンジ色だった空はどんどんと暗くなり始めていた。 ――そして松田は柳本を校内中探し回ったが、いるはずもなく、その事を上条に告げると上条は目を伏せ言いようのない怒りを胸に暗くなった空を見上げた。 僕の言うことを守れないペットは捨てればいい。 …しかし、何故だか柳本は捨てるという考えが僕にはない。本当なら僕の言いつけをすぐに破ったり、破り続ければそいつに飽き、僕はそいつを捨てる。今までそうしてきた。 それでも、柳本を捨てようとは思わない。 もっと泣かせたい、もっと思い通りにさせたい。そんな欲求が込み上げてくる。 だから柳本が僕を嫌がろうと僕は絶対手放すことはしない――。
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