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「あぁ?てめェこそ、どこに目つけて―…」
相手は俺の顔を見て目を見開いた。俺もそいつの顔に一瞬驚き目を見開くが、すぐにニヤッと口角を上げ睨みつける。
「お前…明高の崎本じゃねーか」
俺の言葉に相手もニヤッと口角を上げ、俺を見下ろす。
「へぇ…誰かと思えば倉高の柳本じゃん」
喉をクックと鳴らし、崎本は俺の胸のシャツを掴み立たせる。
崎本が通っている明高…つまり、明安高校は不良の集まり校とも言われている高校の一つ。
そしてその中でも崎本は一、二を争うほどの不良と他校からも恐れられているほど。いつも五、六人でつるんでいる奴だ。
崎本は俺を良く思っていないらしく、何かと理由をつけ俺にいつも絡んでくる。
未だに俺の胸倉を掴んでいる崎本の手をバッと払えば、その行動に崎本は笑うのを止め、厭らしい笑みを浮かべる。
「――っ…やべェ。ぶつかったせいで、腕折れたかも」
そう言いながら、眉を顰め痛さに耐えるように腕を抑え始める。しかし、崎本の口は未だに口角が上がっているまま。
後ろにいた崎本の連れも、崎本の発言に笑いを堪え肩を震わしていた。
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