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「北条さんと加奈はまだかな。今日はフレンチのランチだから楽しみだわ」
「そうですね。お見合いなんて興味ないですから、ランチを楽しみましょう」
駅前で有斗と加奈を待っている智美と奈緒。
二人は加奈と有斗を待つ間ランチの話で盛り上がる。
「智美、奈緒ちゃん、ここだよ」
盛り上がっている二人に近づいて来た車の助手席の窓から加奈が手を振る。
「加奈、待ってたわ」
「加奈ちゃん、こんにちは」
智美と奈緒は笑顔で車に駆け寄ると後部座席に乗り込む。
「智美ちゃん、奈緒ちゃん、こんにちは。優奈のチャイルドシートのせいでちょっと狭いですけど我慢して下さいね」
有斗が笑顔で二人に挨拶をする。
「「北条さん、こんにちは。大丈夫です、狭くなんかありませんから」」
智美と奈緒も笑顔で挨拶を返す。
「それはよかったです。じゃあ、行きましょう」
「「はーい」」
有斗の言葉に元気よく返事をする智美と奈緒。
有斗は車を発進させる。
「加奈ちゃん?なんだか元気がないみたいですけど、なにかあったんですか?」
奈緒が加奈の様子に気づいて心配そうに聞く。
「あはは。奈緒ちゃん、加奈は優奈がいなくて寂しい病なんです」
有斗が笑いながら加奈の代わりに答える。
「加奈、今からそんな調子だと優奈ちゃんがお嫁に行く時が心配だわ」
智美がからかう。
「寂しいけど大丈夫だもん。今日は智美と奈緒ちゃんのお見合いだから頑張るもん」
智美に言われてくよくよしても仕方ないと開き直った加奈は笑顔で答えた。
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