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「僕たちはカッコいいと思うかい?」
修一は智美と奈緒の顔を見て聞く。
「伊勢崎さんも三崎さんも背が高くてかなりのイケメンだと思うわよ」
「私も思います」
笑顔で答える智美と奈緒。
「そう思ってるわりには僕と賢悟を見ても、君たちはなんの反応もしないね」
そう言う修一の隣で賢悟もうなずいている。
「どういう意味かしら?」
智美が不思議そうに聞く。
「今まで会った女の子たちは僕たちを見ると頬を赤く染めて瞳をうるませながらキャーキャー言うんだ」
賢悟が修一に代わって答えると言葉を続ける。
「それなのに君たちは反応しないどころか、僕たちを見てクスクス笑ってたよ?」
「だって私の好みじゃないもん」
「私も好みじゃありません」
気のない返事をする智美と奈緒。
智美と奈緒の理想の男性は有斗なので、修一と賢悟を見ても全然ときめかないのだ。
「ふーん、変わってるね」
修一が妙に感心した顔で言う。
「確かに私たちも背は高い方がいいですし、顔もイケメンの方がいいですけど、それより大事なのは人柄です」
笑顔で言う奈緒。
「ちょっと待てよ。それじゃあ、僕たちは背が高くて顔はいいけど性格が悪いっていいたいのか?」
賢悟がムッとして聞く。
「私も奈緒ちゃんもあなた達とは会ったばかりで、性格までわからないわ。だからときめき以前の問題よ」
奈緒に代わって智美がなだめる様に答える。
「なんだか話が脱線してませんか?なんで伊勢崎さんと三崎さんが女嫌いになったかっていう話じゃなかったですか?」
黙って聞いていた加奈がにこやかに言った。
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