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「そうだったね。その話だったね・・・」
修一は加奈に言うと言葉を続ける。
「僕と賢悟が伊勢崎製薬とジュエリー三崎の跡取り息子なのは知ってるかい?」
智美と奈緒に向かって聞く修一。
「知ってるわ」
「知ってます」
笑顔で答える智美と奈緒。
「…それを知ってて君たちは僕らに色目を使わないんだ…」
賢悟は驚きながらも感心する。
「賢悟君?また話が脱線するよ?」
有斗が笑顔で釘をさす。
「すみません。修一、話を続けろよ」
賢悟は有斗に謝ると修一に言う。
修一は賢悟にうなずいて話し始める。
「大学2年の時、僕たちの素性がなぜか大学でバレて大騒ぎになったんだ」
「大騒ぎ?」
智美が不思議そうな顔で聞く。
「女の子たちが群がってきたんだ。『私と付き合って下さい』って言いながらね」
「それは大変でしたね」
奈緒が真面目な顔で言う。
「普通の大学生活が出来なくなって賢悟と相談したんだ。彼女を作ればこの騒ぎはおさまるかもしれないって」
「…なるほど」
修一の言葉に納得する智美。
「僕は群がってくる女の子の中から性格の良さそうな美人の子を彼女に選んだんだ。賢悟は可愛い子を選んだけど」
「それでどうなったんですか?」
奈緒が興味津々な顔で聞く。
「女の子たちは群がってこなくなったけど…僕らの彼女たちは嫌がらせにあったんだ」
修一は奈緒の顔を見ながら真剣な顔で答えた。
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