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「君たちは変な子だね。なんで『恥ずかしい』とか『ごめんなさい』とか言うんだい?」
修一は不思議そうな顔で聞く。
女なんてみんな金がめあての残酷な生き物だと思っている修一には、奈緒と智美の言葉が不思議でたまらない。
賢悟も同じらしくてじっと奈緒と智美の返事を待っている。
「理由なんてありません。なんとなく恥ずかしいと思っただけです」
「私も謝りたくなったから謝っただけよ?」
奈緒と智美は笑顔で答える。
「ますます変な子たちだな」
思わず笑顔になって言う修一の隣で賢悟も笑顔になっている。
「あっ!今の二人の笑顔ステキだわ!初めて笑顔を見せてくれたわね!」
「本当です!ステキです!」
満面の笑顔で言う智美と奈緒。
「「そ、そうかい?」」
顔を赤らめて聞く修一と賢悟。
「はい、いつもそうやって笑顔でいれば、本気で愛してくれるステキな彼女が見つかりますよ」
「うん、私もそう思うわ」
微笑んで答える奈緒と智美。
「…なあ、修一。僕たちなんで女の子と普通に話してるんだ?それも誰にも言いたくなかった過去を話したりして」
賢悟が修一に小声で耳打ちをする。
「僕にもわからない。気がついたら話してたんだ」
修一も賢悟に耳打ちで答える。
「?…二人だけで何を話してるの?」
智美がキョトンとした顔で聞く。
「「えっ?な、なんでもないよ」」
修一と賢悟は慌てて智美に答えた。
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