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そんなことを思っていると、熊モドキは後10メートル先までに迫っていた。
熊モドキは腕を大きく振りかざす。
ギラギラと輝かせた爪が目の前まで迫っていた。
反射的に横へ猫を抱えたままダイブする。
しかし、熊モドキは更なる追い討ちをしてきて、逃げようにも逃げれなくなってしまう。
死を覚悟したオレは猫だけでも助けられるようにと、迫り来る爪から猫を庇うようにして背を向けた。
「あぁ、俺の人生って短かったな……。この熊モドキから逃げ切って俺の分まで生きてくれよ」
オレは最後に猫への遺言をのこす。
目の前まで迫ってくる爪にもう一度死を覚悟し、目を閉じた。
その瞬間
「フレイム」
という声とともに後ろから“ジュッ”と焼ける音がして、恐る恐る見てみると、熊モドキが炎の中でもがき苦しんでいた。
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