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「クフフ~クフフ~クフフのフ~♪」
並森の一角にあるボンゴレ家。
今日もそこの主人、骸はご機嫌だった。
いつもと同じナッポーヘアーで藍色のパジャマに身を包んだ骸は、台所にいる設定上妻に話しかける。
「クフフ。ご飯はまだですか?」
彼女、否、彼は骸に顔を向けた。
「ねぇ?さっきも言ったよね?あんまりせかすと咬み殺す、って。」
彼…恭弥は骸とは違い不機嫌らしい。
それでも攻撃してこないということは、そこまで不機嫌でもないようだ。
リビングと台所の間にあるカウンターテーブルに焼けたパンに新鮮なサラダ、形の良い目玉焼き、そして綺麗に切られたパイナップルがのせられる。
「……何故パイナップルを切ったのですか?」
「君を斬りたかったから。」
「…………。」
骸は暫く無言になる。
恭弥は素知らぬフリしてご飯を机の上に置いた。
……自分のぶんだけ。
「おや?他のは運ばないのですか?」
「何で僕が運ばなくちゃいけないの?」
「貴方は一応皆のお母さんですよ?」
「ごちゃごちゃ言わないで早く食べれば?でないと咬み殺すよ。」
「クフフ。食べますよ?せっかく貴方が作ってくれたのですから。」
言うと、骸は自分のぶん、そして他のぶんを机に置く。
一人が好きな、というか群れるのが嫌いな恭弥のために、少し間を開けて。
恭弥と骸は無言で食べ始めた。
骸は平然と食べているが、恭弥の頬はほんのりと赤く染まっている。
と、その時。
「極限に腹が減ったぞ!!」
今まで外でランニングをしていた祖父、了平が帰って来た。
「おや、お帰りなさい。ご飯ならもう出来ていますよ?」
「おお、今日も旨そうな飯だな!……うん!うまい!!」
了平は休むことなくバクバクとご飯を口に入れていく。
「そういえば、子供逹はどうした?」
了平の質問に、骸は優雅に言葉を返す。
「まだ寝ていますよ?起こしてきましょうか?」
「そうだな。そろそろ起きる時間だろう。」
「では…。」
骸が立ち上がった所で、恭弥が止めた。
「いいよ。僕が行く。」
骸は目をしばたかせた。
「……珍しいですね。貴方が行くなんて。」
「別に。」
恭弥は横に立て掛けてあったトンファーを持ち出す。
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