46人が本棚に入れています
本棚に追加
――――昼休み。
「音崎くん、ちょっと付き合ってくれるかな?」
「藍ちゃんからのお誘いなんて、嬉しいなあ」
コイツと余計な話をする気はないから、返事はせず腕を掴んで屋上まで連れて行った。
「藍ちゃんってさあ、教室じゃあんな顔もするんだね
どっちが素?」
「…こっちに決まってんじゃん」
「ふーんそうなんだ
それって疲れない?」
「別に」
疲れるとか思ったことはない。
仮面をつけて生活することは、俺にとって息するのと同じようなモノだから。
「…とりあえず、黙っててくんないかな?
俺は、¨イイ子の藍ちゃん¨でいたいから」
「何で?」
「イイ子の方が、何かと得でしょ」
「…別にイイけど
じゃあ口止め料として」
引っ張られたかと思うと―――唇が触れていた。
「…………」
「なーんだ
反応なしとかつまんないの
もっと抵抗とかしてくれたら面白かったのに」
「あんたさ、俺に何求めてんの?」
「別に
ただ、藍ちゃんに、興味持っただけ」
「すげー迷惑」
「そうそうその顔イイね
人間くさくて好きよ、俺」
「お前…っ!」
最初のコメントを投稿しよう!