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「なあ、昨日のテレビ観たか?
ゆきちゃんまじ可愛くねえ!?」
「俺もそう思った
スゴく歌も上手いしね」
「だよな!
ゆきちゃんサイコーだぁ~!!」
俺の名前は朔村 藍(さくむら あい)。
どこにでもいそうな高2の男子。
ただ、あんまり人や物に対して、興味や関心がない。
実際ゆきちゃんも、いま一番売れっ子の歌手らしいけど、俺にとってはどーでもイイ。
なら何で話を合わせてるかって?
それは上手く世の中を渡っていくため。
自分の本音を見せないのは簡単。
本当は興味なくても、話を上手く合わせるのも簡単。
面白くもないのに笑うのも簡単。
損得を考えれば、感情的にならないのが一番。
人とね、深く関わるのは面倒くさいことなんだ。
だから俺は線を引いて、自分の―――自分だけの領域に踏み込まれないように毎日毎日仮面をつけてる。
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