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季節は春
6時まであと10分
場所は満開の桜の下
なんと言うかは昨日の夜死ぬほど練習したから間違えないはず
もう少し、もう少しで部活が終わる時間だ
……まだか……まだ…来たっ
「せっ先輩今お時間いいですか?」
『何?部活で疲れてるんだけど』
「すっすいません」
『なんで誤るのよ』
「ごっごめんなさい」
『……まぁ良いや、で話って何?』
「あっはい、あのす…す…」
『す?』
「好きです!!つつつつつきあって下さい!」
『好きですは分かったけどつつきあって下さい?』
「違います!付き合って下さい!!」
そう言って先輩の手を握る
『あぁ、なんで?』
「なんでって、覚えていませんか?この間僕がカツあげにあっていた時に助けて頂いた事」
『有ったねそんな事』
「そんな事っ!!でその時の先輩がかっこ良くて一目惚れって言うんですかね」
『一目惚れね』
「それだけじゃないですよ。まぁ前々から憧れてたんですけども」
『ふーん?前々からね~あたしは空手部所属の暴力女って有名なんだけどね』
「いえっそんな事有りません先輩は立てば杓子、歩けば牡丹、歩く姿は百合の花って言葉ではありきたり過ぎます」
『ふーん、じゃあ例えば何よ』
「そうですね~、立てばーあっメハジキ!」
メハジキ
シソ科の越年草、別名ヤクモソウ
花言葉【憎悪】
先輩の手を握る力が強くなる
これは行けるぞ
「座れば~ロベリア!」
ロベリア
キキョウ科のサギキキョウ属の属名
花言葉【悪意】
先輩が涙をこぼし始める
そんなに嬉しいのだろうか
よし、もう一押しだ
「歩く姿はまるでセキチクのようです!」
セキチク
ナデシコ科の多年草
花言葉【あなたが嫌い】
決まった…成功だ
『お前の気持ちはよく分かった…』
「じゃじゃあ」
『あぁ返事はこれだ!!』
次の瞬間
先輩の平手が飛んでくる
僕の頬に季節はずれのモミジが咲いた
byビッグそら豆
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