すれ違い

6/7
前へ
/20ページ
次へ
普段ならこんなブランドのショップになんて、いや、デパートにすら来る事ないコウタは、雰囲気にのまれながらも、背伸びをしてエミの手を引く。 「・・・、いらない。」 小さな声でエミは言った。 「えっ!!何!?」 コウタは、全く持って予想外の反応にビックリした。 「大丈夫って。俺バイトしてさ、エミに何かプレゼントしたくて。」 エミは泣いてた。 何を言っても、俯いたまま、ただ泣いてた。 帰りのバスの中も、エミは一言も話さなかった。 コウタも何も話せず、ぼんやりと外を眺めてるしかなかった。 気がつくと、パラパラと小雨が降り出していた。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加