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普段ならこんなブランドのショップになんて、いや、デパートにすら来る事ないコウタは、雰囲気にのまれながらも、背伸びをしてエミの手を引く。
「・・・、いらない。」
小さな声でエミは言った。
「えっ!!何!?」
コウタは、全く持って予想外の反応にビックリした。
「大丈夫って。俺バイトしてさ、エミに何かプレゼントしたくて。」
エミは泣いてた。
何を言っても、俯いたまま、ただ泣いてた。
帰りのバスの中も、エミは一言も話さなかった。
コウタも何も話せず、ぼんやりと外を眺めてるしかなかった。
気がつくと、パラパラと小雨が降り出していた。
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