出発

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コウタは、福岡の専門学校へ、エミは地元で、小さな工場の事務員として就職が決まっていた。 あの夜から、今まで以上にエミと話をした。 最近ようやく普及しだした携帯電話のおかげもあって、暇さえあればメールや、電話で馬鹿話した。 コウタは幸せだった。 その、何気ない一つ一つが、大切な時間のように思えて嬉しかった。 ただ、福岡への出発日を明日に控えた夜、リダイヤルの”エミ”を押せなかった。
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