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こんな対応をされたのは生まれて初めてかもしれない。
リュウはそう思って男に連れられる途中に、行儀悪く周りを見てしまった。
高そうな壺や花器、剥製などが廊下の両サイドに並んでいる。
無名の芸術家には一生お目にかかれないであろう高級品の数々に目眩がした。
割ったら生きては帰れないだろうな。
そんな考えが頭をよぎっていた。
「此処だ。いいか?くれぐれも粗相のないようにな」
男はそう言ってどこかへ去って行った。
すると感じる手への体温。
ミウからのものだった。
キュッと遠慮がちに三本だけ指を握られ、心がホッとしたのは内緒だ。
思えば他人からの感じる体温など久しぶりかもしれない。
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