英雄の影

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芸術家だなんて誰だって名乗れる。 そいつが評価されるかは別の話だが。 もしも大口叩いて陳腐な作品でも出してみろ。 プライドの高い奴は一生外は歩けないかもしれない。 やはりどんな小さなことでも、こつこつとスキルアップしていくのが一番なのだ。 しかしそれをしたからといっても、有名になれるのかといえば話は別だ。 手から零れ落ちる水のように、彼ら芸術家も段々と零れ落ちていく。 最後に残れるのは、指で摘んだ砂糖ほどにも居ない。 「この絵は買えません。他をあたってください」 リュウもその内の一人だった。 毎日毎日絵を描いてはそれを売りに行く。
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