第四話 I who fights.

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輸送機の上部からアンカーが射出、弐式は輸送機と接続された。続いて壱式が動くが、ハッチの手前で止まる。ハッチから見える敵、つまり輸送機下部から後方の敵を叩き落とす、フィリスの算段である。急なことだったので長距離兵装はなく、水際作戦を強いられる結果となった。せめて、射程が3桁後半はあるスナイパーライフルやレーザーカノンがあれば、まともに戦えたはずである。 しかし、フィリスの魂は滾っていた。絶対的不利な状況で自分が、否、自分達がどこまで戦えるかが楽しみで仕方なかった。 相手はそこまで強くはない。が、落ちたらアウトであるギリギリな状況でこそ快楽を享受できる。 彼女は、そんな人間であった。
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