レイミの怪物

10/11
前へ
/114ページ
次へ
「いや、良いんだ。フィリップの奴は、虎の威を借るのが過ぎる。今回の事は、良い薬になっただろう」 マスターが言った。 「まぁ、迎えには行きますよ」 「メイソン?優しいのは良いが、甘やかすのは駄目だ。お前は流され易い。だから、フィリップにカモにされるんだ」 虎って言ったり、カモって言ったり…俺は一体、何なんだ。 「放っておけ。時間の無駄だ。迎えは他の暇そうな奴に行かせる」 うえー…それって要するに、今直ぐ仕事に行けって事だろ~? 「意外。貴方って、頼られてるのね」 レイミが言った。 …意外って何だ。 そんなに頼り無さそうか?俺は。 「偶然、見つけた期待の双子星だからな。そう言えば、片割れのマリアは新人の育成を始めたみたいだぞ?この前、ギルドに加入届が届いてな。マリアの紹介状が付いてた」 「片割れって言わないで下さいよ」 「同時期に入って、初っぱなから揃ってソロなんてやってるのは、後にも先にもお前達だけだ。十分、片割れだろう?」 マスターが皮肉たっぷりな笑みを見せる。 「…腐れ縁ですよ」 てか、マリアに教育とか出来るのか?
/114ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加