19人が本棚に入れています
本棚に追加
最初に調査するのは、滝に纏わる歴史。
呪いとは関係無さそうな事だが、もし恨みが原因の呪いだったら、必ず何かしら痕跡が有るはず。
呪術…も考えられるけど、それはまた後で調べれば良い。
「魔法使いでも、簡単にはいかないんですね」
資料の本を探すのを、手伝ってくれていたカインが言った。
「…魔法使いだって、万能じゃないわよ。使う魔法にも、向き不向きが有るくらいだもの。出来ない事の方が多いわ…」
私は自嘲した。
「私ね、魔法を習い始めて、これで不可能を可能に出来るんだって、思ってたのよ。でも、現実は…大切な人を助けてあげる事も出来なかったの」
自惚れていた自分が恥ずかしくて、死んでしまいたくなった。
役に立てない自分が、どうしようも無く惨めだった。
「なのに、私を元気付けようとしたのよ。彼奴は馬鹿が付くほど、お人好しなの」
「恋人ですか?」
「ち…違うわよ!幼馴染みよ!」
「でも、大切な人って言いましたよね?」
「か…家族みたいな奴だったのよ!そう言う意味よ!」
「はぁ。そうですか」
苦笑しながら、カインが言う。
最初のコメントを投稿しよう!