ミノタウロスと少女と異世界と

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……走る。走る走る走る走る走る走る。   人気の全くない、この薄暗い空間を俺はひたすら走り続ける。  ……いや、違うな。正確には、俺はただ走ってるんじゃない。  逃げてるんだ。あの化け物から。  もうかれこれ20分くらい、俺は走り続けている。  さすがに体力がもう限界だ。足がもつれる。  後ろから聞こえてくるアイツの足音が、徐々に近づいてくる。  アイツに追いつかれたら終わりだしっかりしろ神童霊人 、と自分で自分を奮い立たせるが、既に 限界寸前のこの体はなかなか言うことを聞いてくれない。  ……なんで俺はこんなことになってるんだろう?今更ながらそんなことを俺は考える。
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