《通常からの変化》

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「ねぇ、新しい‘ぬくネコ’出たんだって?!」 香織はショートカットの癖毛を掻き分けて凛の顔を覗きこんだ。 「あ、そうなんだ?あたし、このぬくネコ以外持ってないんだよね(笑)」 凛は長い髪の毛をシュシュで束ねながら答える。 「ほら、このぬくネコだって香織からもらった物だし(苦笑)」 香織には友人が多く、何時も何処からか新しい情報を持ってきては、屈託の無い笑顔で様々な人に話しかける。 この‘ぬくネコ’をもらったのも些細な事がきっかけだった。 香織がまだ中学生の頃のある日、弁当を忘れた事があった。 「あちゃー、しまったなぁ。」 「な、な、皆。お願い、ちょっとずつ分けて(笑)」 皆に弁当カンパをしてる香織に、父親が長期出張に入ったばかりの自分は食欲がなくて 手をつけてない弁当を差し出した。 そのお礼に‘ぬくネコ’をもらったのである。
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