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「あ、あーコレか。俺の誕生石。オニキスって言うんだ。」
凛は祐希から‘誕生石’と言う言葉が出た事に少し驚いた。
見た目からして、そんなロマンチックな事を言いそうにないのに…。
祐希はマイペースに話を続ける。
「親父がさ、くれたんだよ。なんか受験に効くとか言ってな(笑)」
「俺の誕生日が9月でさ、このオニキスが誕生石な上に受験に効果があるから、馬鹿なお前にぴったりだとさ(笑)」
祐希は笑いながら、髪の毛をかきあげ、そのオニキスのピアスを凛に見せる。
「なんか、ネガティブな波動も吸いとってくれんだとよ」
凛は
あー…、と何だか納得した気分になった。
祐希の性格もきっと元から明るいのだろうが、凛にはその耳に光るオニキスのピアスが、祐希の良く笑う一因の一つなのかと思った。
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