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中学後半から口数が減っていった自分に、何時も明るく声をかけてくれる香織の存在は大きかった。
‘ぬくネコ’もスカートの丈も携帯のお気に入りサイトも香織に影響されている部分が多々あった。
それは只単に彼女が明るく人懐こいと言うだけで目に止まって仕方なかったんじゃない。
自分の心の中にある黒い霧を解く鍵が、香織の明るさの中にあるかと思ったからだ。
……そんな思案もよそに、同じ高校に通う事になった香織は
入学以前も、入学してからも毎日、この駐輪場で
「おっはよー!」
と声をかけてきてくれる。
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