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「…あ~…、やっぱり雨降ったなぁ…」
祐希がコロナの瓶を口に当てながら呟く。
「外が雨で、しかも話してる内容が暗くなっちゃつまんねーよ(笑)」
祐希はそう言うとコロナを喉奥に流し込む。
ぷはーっ!美味ぇ!と祐希は口についた泡を袖で無造作にぬぐい去る。
あっと言う間にコロナの瓶は空になった。
「陸斗ー!もう一本!」
陸斗は、仕方ねぇなー…と、まるで弟を愛でるような言い方でキッチンに戻った。
凛も出されたカモミールティーを口にする。
何度も飲んだ事があるのに
何故だか陸斗から出されたカモミールティーが、身体に沁みて―――…
凛はその温かいカップを両手で握りしめ、一息をつく。
「…美味し」
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