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「……話して楽チンになる事もあんぜ?」
ポケットから携帯電話を取り出して、受信メールを確認しながら祐希が呟く。
「ほら、案外初対面の奴には話せる場合とかあるじゃん?」
メールの返信が終わり、祐希は携帯電話を閉じた。
「…なんでだろーな。」
「渋谷なんかにゃ、うんざりする程人が多くてさ…あの時間帯にゲーセンいる女子高生なんか珍しくないのになー…」
「あ、お前が壊滅的にクレーンゲームが下手だったからだ!」
祐希は、ポンっと手のひらを打ち、勝手に自己完結をさせていた。
「(…面白い奴(笑))」
凛は自分の中で、やんわりとした気持ちが生まれてたのを感じて行った。
何とも表現出来ない、空気に包まれて―――凛はさっきまでの憂鬱さを消していた。
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