《LAST QUARTER》

22/23
10人が本棚に入れています
本棚に追加
/109ページ
「……話して楽チンになる事もあんぜ?」 ポケットから携帯電話を取り出して、受信メールを確認しながら祐希が呟く。 「ほら、案外初対面の奴には話せる場合とかあるじゃん?」 メールの返信が終わり、祐希は携帯電話を閉じた。 「…なんでだろーな。」 「渋谷なんかにゃ、うんざりする程人が多くてさ…あの時間帯にゲーセンいる女子高生なんか珍しくないのになー…」 「あ、お前が壊滅的にクレーンゲームが下手だったからだ!」 祐希は、ポンっと手のひらを打ち、勝手に自己完結をさせていた。 「(…面白い奴(笑))」 凛は自分の中で、やんわりとした気持ちが生まれてたのを感じて行った。 何とも表現出来ない、空気に包まれて―――凛はさっきまでの憂鬱さを消していた。
/109ページ

最初のコメントを投稿しよう!