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先の言葉が喉元に詰まる。
吐き出したら楽になりそうなのに、喉元にひっかかった科白は口からは出てくれない。
―――歯痒い。。
沢山の気持ちはあれど、伝える事すら出来ない。
やはり所詮私は、仮面をかぶっているだけ?
結局私は
何も―――
何も―――
何も―――……!
心の中で勝手に声が暴れだす。
「(何も―――……?)」
凛の鼓動が高まる。
と、同時に俯いていた凛の目からは大粒の涙が零れ落ちていた。
「…あ、…あはは、嫌だな(苦笑)」
凛は涙を目の前にあった紙ナプキンで拭いとる。
しかし、涙は拭っても拭っても留まる事を止めなかった。
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