10人が本棚に入れています
本棚に追加
/109ページ
緑色のガラス瓶を下から覗く。
間接照明に当たって、浮遊した様な色合いが凛の目に映る。
透明でも不透明でもない―――曖昧な色の中に
凛は不思議な世界を見た気がした。
初めて酒を飲んだ―――…しかも一気に瓶の半量を空けたのだから、ほろ酔いにでもなったのだろう。
瓶を宙にふらつかせては光に当てて、中に落ちてるライムを見つめる。
凛は唐突に祐希に語り始めた。
「…この…ライム?」
「何だかさ、似てるのよね」
「あのクレーンゲームの‘ぬくネコ’も」
祐希は訳もわからぬ表情をして、凛に聞き返す。
「…どんな意味だ?」
最初のコメントを投稿しよう!