鍵、みつけた

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高校2年生の春。 私はもう、神様なんてとっくに信じてない。 信じたところで楽しい学校生活なんて、来ないことはもう知ってるから。 雪が解けて、それでもまだ泥が残る道路を、人に会いたくないから自転車で登校した。 制服が汚れるのは承知の上。 そんなことよりとにかく一人が一番楽だから。 学校について玄関をふと見ると、沢山の人だかりが、クラス替えの掲示板を囲んでいた。 楽しみでもない、気にしてるわけでもない。 わたしは人の隙間から、貼り出されたクラス替えの用紙を見た。 遠巻きに見つけた、わたしの名前。 その同じ列に、また"彼女"の名前。
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