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部活も終わって帰り道。
義之と鈴ちゃんと別れた俺達は、夕焼けに染まる家路を歩いていた。
珍しく何日かぶりに晴れたおかげか、やけに夕焼けを恋しく感じる。
「にしても、ボーカルどうすっかなぁ」
「そうね……また明日探せばいいんじゃない?今日は変態に任せたのがいけなかったのよ。あいつ、本当に救い様のない変態だったわ」
後半素っ気ない感じで言うと、和は何か思い出した様な表情を見せた。
「そういえば悠希。前から思ってたんだけど、私達のバンド名そろそろ決めない?」
俺達のバンドが結成したのは高校一年の春の事だった。
和と一緒に軽音部に入り、いつもの様に話してた所に義之が入って来たのがきっかけだ。
あれからもう一年ちょっと。
新メンバーの鈴ちゃんもそろそろ馴染んで来たのだから、未だ無名のバンドに名前をつけるいい機会だろう。
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