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「ああ。丁度いいし、そろそろ決めるか」
「そ、そうね!じゃあ……えっと……今から悠希の家に行ってもいいかな……?」
頬をやや赤らめながら、上目遣いで言ってくる和。
一瞬その様子に胸が跳ねるが、なるべく表にはしない様に答える。
「な、なら義之や鈴ちゃんも呼ばないとだろ」
「い、いいのよ!い、今帰ったのに、呼び戻すのもなんか悪いじゃない!」
「いや、でも……皆も呼ばないとバンド名なんか決められないだろ。二人じゃ決めたって意味ないし」
「~っ!もう、いいって言ってるでしょ!二人じゃないと意味がない事くらい気づきなさいよね、馬鹿……」
そう言って一人先に行ってしまう和。
後半何やらボソボソ言っていたみたいだが、深く詮索すると殺されそうだ。
俺は仕方ないと肩を竦めると、
「……ったく。わかったから待てって和!」
和を追いかけた。
その時振り返った和の顔が真っ赤に見えたのは、きっと夕焼けのせいだろう。
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