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あれから少し歩き、和の家の前を軽く通り過ぎると、俺の家が見えた。
和の家の近所に点在する我が家は一戸建ての割と大きめの家だが、大きさに反比例して住んでいるのは俺だけだ。
理由は簡単。
両親が現代におけるトンデモパワー。超能力の研究をする研究者であるからだ。
その為、一人暮らしに近い状況だが、軽音部のメンバーで集まって駄弁ったりする塲としては最適だし、気楽なので気にいってはいた。
俺が鞄から鍵を取り出して扉を開けると、「お邪魔します」と言って、脱いだ靴を俺の分まできっちり揃えてからリビングに入って来た。
「別に靴なんて揃えなくてもいいと思うんだがな……」
「駄目。全く、本当にだらし無いんだから……」
溜め息をついて俺を見る和。
そうは言うがな、自分の家で靴きっちり揃える奴はかなりの希少種だと思うぞ。
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