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「人に名前を尋ねる時は、まず自分から名乗るもんだぜ?」
「最悪な貴方なんかに名乗る名前はねぇですよ!」
……しばいてもいいだろうか?
とは思ったものの、こんなミニマム生意気少女相手に本気になるのも大人げない。
……そうだ。こうしよう。
俺は溜め息の後、自販機から何か適当に買い、少女に背を向けた。
「そうか。じゃあ、またな」
「嘘です嘘です!朝霧飛鳥(あさぎりあすか)です!ほら、名乗ったんですからそっちも早く名乗りやがれ、です!」
……ミッションコンプリート。
このミニマム生意気少女、飛鳥に先に名乗らせてやって、ややテンションが上がってるのは隠して、俺も答える。
「俺は成宮悠希。よろしくな、飛鳥」
「飛鳥を呼び捨てなんて百万年早いです!最悪です!……と言いたい所ですが」
飛鳥は一息着いて、
「悠さん、もしくは悠くんと呼ばせてくれれば、特別に許可してあげてもいいですよ」
グサッと、何かが心に突き刺さった気がした。
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