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俺の名前は成宮悠希(なるみやゆうき)。
咲良市に点在する私立聖プリミル学園の何処にでもいる普通の二年生だ。
さて、俺は今ひじょーにやばい状況にあった。
いや、俺がではなく、この音楽室全域がやばいと言うべきなのだろうか。
緊迫した雰囲気の中、紫の長い髪をツインテールに結んだ少女が口を開いた。
「アンタ……クビ、クビよ!ふざっけんじゃないわよ!」
俺の幼なじみの少女、西門和(にしかどのどか)は防音設備がある音楽室の壁をも貫くかの様に叫んだ。
その怒りの矛先はとある男子生徒に向けられていた。
髪をワックスで立たせており、制服も今時意識からかだらし無く着ている彼は、訳のわからない様子だ。
「待てよ西門!何で俺がクビだってんだよ!」
「何、言ってほしい訳?ならお望み通り言ってやるわよ。アンタ、ボーカルやるだなんだと言っといて歌下手過ぎなのよ!」
言った、言っちまいやがった。
確かにこいつ、ボーカルを志願したくせに凄まじく歌が下手。
なんかもう……リズム?そんなの知るかよ!って感じなもんだから、和がキレるのも無理もない。
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