プロローグ

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どれだけ泣いても、涙が奥から奥から溢れてくる。 彼は……きっと私のことを想っていたのだ。 だから入水自殺なんて……。 私にはわかる気がした。 私も……彼に会えないぐらいなら死んだ方がましだと思っていた。 それからしばらくして、私は病にかかった。 不治の病。 体力の衰えが容易くわかる。 そして、息絶えるとき。 私は呪った。 この身分を。 私の周りの人々を。 この世界を。
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