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「また振られたの?美緒ちゃん。」
こんな失礼なことを言ったのは近所に住む高宮那智だ。
最近引っ越してきて、高校二年生の男で何かと美緒に話かけたりしてくる。
綺麗な黒髪で瞳が宝石のようにキラキラしている。
美緒は彼が苦手だ。
あの宝石のようなキラキラしている瞳はあまりにも純粋で自分の全てを見透かされてしまうそうだから。
「失礼ね。あたしはあんな男に振られたんじゃないの。だいたいあんな男、こっちから願い下げなのよっ。」
美緒は那智を見ないように背を向けながら言った。
「ふーん。」
那智はそういうと何か考えているような顔をしてジッと美緒を見た。
あまりにも強い視線だったので耐えきれなくて美緒は那智の方に振り返っていった。
「もう、何よ。ジッと見て。」
「うーん。美緒ちゃんは一体どういう男が好きなのかなって。」
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