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「お疲れ様っしたー」
ジャルダンの裏口を開けると、スタッフルームより暑い温度が体を包む
「あつー」
やっと梅雨も明けて、これからまだまだ暑くなるだろう
「行くかぁ」
迅夜が津閖に話し掛ける
「ルビーで良かったんか?」
「うん。組長さんからのリクエストらしい」
「どんな人かねぇ」
「すっごいゴツいんじゃない?だって組長になるにしては、若いじゃん。実子だからって早過ぎだろ」
「だよなー。タケさんがすでにシュワちゃんみたいだもんね。惚れ込むんだから更に上を行くんだろーな」
「モヤシみたいだったりして…」
「…ほっとけない?」
「そうそう。そばにいないと折れる」
「タケさんが添え木って…」
ちょっと面白くなった二人だ
迅夜はこの津閖の破天荒な発想が好きだ
相手に合わせたい迅夜は、好き勝手やってる津閖を見てると楽しくなってそっちに行きたくなる
そして好き勝手に一人遊びを楽しんでいる津閖を見ると、こっちにおいでと傍に置いておきたくなるのだ
つまり、津閖にとっては結構構われすぎなのである
良いのか嫌なのか、津閖はハッキリ言うのだが、迅夜はやっぱり不安だ
こんなに底のない感情は初めてで、迅夜はまだまだ持て余している
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