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普段そんなにハマり込んでいる意識はない
仕事だったり遊びだったり、津閖を忘れて自分の好きなようにやっている事はいくらでもある
津閖だってそうで、そんな事は不満でも不安でもない
ただ津閖といる時は、どうしようもなく突然キスがしたかったり抱き締めたかったり
そんな感情が間欠泉のように沸いて、迅夜を困らせる
陳腐な言葉を使うなら「キミニムチュウ」だろうか
「スキトキメキトキス」だろうか
いずれにしても迅夜はとてもじゃないけど知られたくない、と恥ずかしくなる
「何かお土産買って行く?」
津閖が提案する
「いいけど、どこで買おうか。今何時だ」
時計を見ると早めに上がった平日の、午後11時半頃だった
「輸入食品がギリギリ間に合うかな」
迅夜はそう言うと津閖を連れて、近くの輸入食品店に入る
「チーズ、ハム、ブランデー?コニャック?和食に日本酒…はここじゃダメか」
あれこれと津閖に聞きながら、好き嫌いのなさそうな濃いめのチーズとスモークハムを買った
「アルコールより食いもんの方が良いだろうな」
そう言って簡単にラッピングして貰って店を出た
ルビーはすぐそこだ
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