彼と彼の始まり

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ジンとツユは、お互いの本名も何も知らないまま出会い別れた 探す事は不可能だった 見付かる筈もない、そうやって諦め掛けた頃 ジンはツユを自分の行き着けのバーで発見する ツユは自分より前からここに通っていたと言うのだ 様々な条件が結び付き、日本では同じ空間に居ても出会わなかった二人が、常夏の島で出会ったのだ 日本で出会えばきっと友達で終わっていた 恋だ愛だと言う前に、二人は至ってノーマルなのだから 灼熱が二人を浮かしたとしか思えない バーで再び再会した二人は、言葉を交わす やっと見付けたツユに、包み隠さず自分の思いを告げる ツユは笑顔で答える 「俺、高菜津閖(こうなつゆり)」 「あ…俺、水島迅夜(みずしまじんや)です」 締まらないのはこの際もう、置いておくしかなかった
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