要請

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目の前の少年の身体は、強化外骨格で覆われていた。雷電でさえあれほどの苦悩を味わった恐るべき戦闘兵器を、『愛国者達』はこんなに幼い少年にも背負わせていたのだ。   少年は視線に気付いたのか、訝しげな表情で雷電を見た。   雷電はまたも驚きを隠せなかった。 少年が自分とまるで生き写しなのだ。銀色の髪、海のような瞳。輪郭から目の形までそっくりだった。   「君は……」 雷電は驚きのあまり、思わず口を開いていた。少年は警戒した目で雷電を見つめる。と、雷電は少年の右肩から下がないことに気付いた。以前は五体満足だったようだから、おそらくは戦闘で失ったのだろう。
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