255人が本棚に入れています
本棚に追加
/557ページ
雷電がその名を口にした途端、少年の表情がサッと変わった。まるで怯えているかのように。
「……貴方は…」
少年がか細い声で訊く。
「これも偶然かな。俺の名前もジャックだ」
雷電が答えると、少年はその顔と名前で何かを納得したのか、深く考え込んだ。そして、「偶然じゃないよ」と小さく呟いた。
「え?」
雷電は唐突な答えに、思わず間抜けな受け答えをしてしまった。
「偶然じゃない。僕は貴方になるために生まれて、貴方になるために育てられた」
最初のコメントを投稿しよう!