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「君は一体何者なんだ?」
雷電が尋ねると、
「僕は…存在しない生物。貴方であって、貴方ではない。人間であって人間じゃない。僕には『自我』が分からない」
少年は悲しそうに答えた。
「君は俺とローズの子供なのか?」
雷電は掠れた声で言った。
「『愛国者達』はそう作りたかったみたいだけどね」
「…君は何歳だ?」
「11歳」
雷電は複雑な心境のまま言った。
「11年前、俺は彼女とまだ出会ってない」
少年は冷ややかに答える。
「超急激成長促進剤『STUNDE』の効果だよ」
「何だって?」
「『愛国者達』が長年かけて作り出した成長促進剤。実質的には僕の年齢は五歳だよ」
「…………?」
雷電の表情をチラリと見て、少年はさらに説明を続けた。
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