要請

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「つまり、僕は生まれてから半年間、『STUNDE』を投与されてきた。生まれてから半年で、僕の肉体年齢と精神年齢を六歳児くらいにまで成長させたんだよ」 「何で六歳まで育てたんだ?」 「『愛国者達』には時間がなかった。より早く、『もう一人の雷電』を作ろうとしたんだろうね。あなたが初めて銃を握ったのは何歳?」 少年はつとめて平静に言った。   「…そういうことか」   雷電は納得した。遺伝子的かつ模倣的に雷電を作り出すために、彼らは年齢まで合わせて少年に雷電と同じ戦いをさせてきたのだ。   「だが『愛国者達』は消滅したはずだ」 「そう。だから僕は『愛国者達』が極秘で作った地下プロジェクト『ワンダーランド』を破壊しようとして単独潜入したんだ」 「極秘の地下プロジェクト?」
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