プロローグ

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「……お前、これからどうするんだ?」 彼女はとても遠慮がちに聞いた。 女は顔を上げると何事も無かったかのように立ち上がり、大事に抱えていた欠片を思いっきり投げた。 「えっ……」 放物線を描いて飛んでいく欠片をあっけに取られて見送る彼女の隣で女が不敵に口角を釣り上げた。 「帰るわ」 聞き間違いだろうかと、彼女は思った。 「リンクが切れた? しったこっちゃないね」 右手で作った拳を左掌で受け止めて女は笑う。
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