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私はそのまま車を走らせた。
気付けば父の墓前に立っていた。
空は紅く染まり始めていた。
父の死。
見知らぬ猫の死。
そして私を苛立たせた渋滞の原因を作った男の―
私は何のために生まれ、何のために命を削り、何のために生きているのだろう。
痛みを伴いながらも生きて、苦しみに耐えながらも迷い、そして恐怖に怯えながらも進まなければならない。
決められたレールの上をただ歩いているだけなのだろうか。
頭の中を濃霧が支配している様に考えに靄がかかる。
そこに一筋の光が射す。
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