じこ

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そんなことを考えていると外から突然大きな衝撃音がし、私は現実へと引き戻された。 しばらくすると救急車やパトカーのサイレンが聞こえてきた。 窓は赤く点滅し、辺りには騒音と静寂が入り交じる。 ―あぁ、事故か。 私はただそう思うだけだった。 野次馬のざわつく声。恐らく事故を起こしたのであろう若い男の動揺した叫び声。救急隊や警察の周囲を整備する声。 その全てが私には何か現実離れしたものとしか感じられなかった。 それから数時間して、私はようやくベッドから起き上がった。
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