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眼下に拡がる景色を見て私は思う。
今この世の総てを見ているのは私だけなのではないだろうか。
冷たい風が私の頬を撫でる。
ちょっと待てよ?
何で私はこんな所に立っているんだろう。
何故私が死ななければならないんだ?
こんなに青い空。小さく並んだ無機質な建物の群れ。
こんな風に景色を落ち着いて眺めるのはどれくらいぶりだろう。
もっとゆっくりこの景色を眺める時間が欲しかった。作れなかったわけではない。ただ作らなかっただけなのではないか?
今更そんなことを考えたところで私の決断が変わるはずもない。
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